3000羽


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大好きだった祖母は、私が中学のころに大腸癌を患い、入退院を繰り返していました。
その時に祖母を元気づける為にやっていたこと。

千羽鶴を折って癌を治す力を与えること。
決して上手くない千羽鶴をいつも喜んで受け取って、来客に自慢していた祖母。

私が21歳になった頃、祖母はもう長くはないと、ホスピスに入院することに。
ほぼ毎日お見舞いに行っていました。

ところが、ある日些細なことで祖母と喧嘩をしてしまった私。『二度とお見舞いには来ない‼』とひどい言葉を残して。

これが最期の祖母との会話でした。ある日、祖母の意識がなくなったと母から電話が。会社を早退し、すぐに祖母のもとへ。

母は、涙をいっぱい溜めて私に言いました。
『ばあちゃんが、ごめんねって。もう一度会いたいなって。』涙が止まりませんでした。

主治医から、もって1週間だろうと聞き、私はすぐに家に帰りました。残された1週間で、大好きな祖母へ千羽鶴を折り始めました。ごめんなさい。大好きだよと気持ちを込めて。完成した千羽鶴を持って祖母の元へ。しっかり手を握って、渡してきました。

その日の夜、祖母は息を引き取りました。
意識を失って、1週間と1日。まるで、千羽鶴が完成するまで待ってくれたかのように。

その夜、声が枯れるまで泣きました。

ごめんなさい。ごめんなさいと何度も言いました。

お葬式の前日、祖母への手紙を書きました。
小さい頃、たくさんお話してくれたこと。母の代わりにいつもご飯を作って待ってくれていたこと。ありがとうと。そして、本当は最後に謝りたかったこと。手紙は涙で濡れて祖母には読みずらくなってしまいました。

最期のお別れに、手紙と今まで祖母に渡していた千羽鶴を棺に一緒にいれました。全部で3000羽になっていました。

ばあちゃん。手紙は届きましたか?千羽鶴をまたみんなに自慢していますか?次会えたら、きちんと謝るよ。ごめんね。大好きだよって。

大切な人にごめんなさいときちんと伝えてください。ありがとうと感謝の言葉を伝えてください。それだけで、後悔のない人生が送れます。

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