絶対嘘だ。


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私には年の離れたお兄ちゃんがいたの。
いわゆる腹違い?って言うのかな。
お母さんは違ったけどケンカもしなくて仲良しだったんだ。

でもお兄ちゃんが一人暮らしを始めてからはあまり会うことがなくなって。

唯一会えるのはお父さんが経営してるレストランだったの。
お兄ちゃんは高校行かずにお父さんの店を継ぐために修業して立派な料理人になったんだって。

私はそんなお兄ちゃんがすごく自慢だった。

でも店は私が住んでる所から少し遠くてしょっちゅう行ける距離でなかった。
だからお兄ちゃんと会うことがどんどん減っていって。
そして私が高校1年の時に嬉しい知らせが届いたの。
お兄ちゃん結婚するんだよって。

嬉しくて家族みんなで喜んだのを覚えてる。
結婚式は大きいものではなかったけどお兄ちゃんはとても幸せそうだった。

それから2年後、私が高校3年の終わりお兄ちゃんは死んでしまった。

死んでしまった一週間前お兄ちゃんが心臓の手術をすると聞いた。
お父さんは、成功率は80パーセントだから大丈夫って言っていたから私はその言葉を信じきって安心していた。
お見舞いも手術後は3日間目を覚まさないかもしれないから目を覚ましたら行こうねってお母さんと話していた。

でもお兄ちゃんが目を覚ますことはなかった。

その日、自分の部屋でゲーム機で遊んでいたときお母さんが大声で私を呼んだの。
ご飯かなって思って降りてみたらお母さんは小さい声で「お兄ちゃん死んじゃった」って言ったの。

もちろん信じられなかった。

嘘でしょ?って何度も思った。

だって手術は成功して後は目を覚ますだけなんでしょ?って。
私はその場から動けなかった。
「お兄ちゃん帰ってくるから片付けよ」
お母さんがそう言ったからまだ信じられなかったけど片づけを始めたの。

絶対嘘だ。

これはテレビでよく見るドッキリかなにか?

そう自分に問いかけながらお母さんと部屋を片付けた。
1時間後、お父さんが帰ってきた。お兄ちゃんはみんなに運ばれてきた。

私は怖くなってお兄ちゃんが運ばれた部屋に入れなかった。

そしたらお姉ちゃんが来てお兄ちゃんに挨拶した?って聞かれてはじめてお兄ちゃんが運ばれた部屋に入った。
お兄ちゃんの手は冷たくて硬くなってて。
私はそこで初めてお兄ちゃんが死んだ事実を受け止めた。
これは嘘でもドッキリでもないんだって。
涙が止まらなかった。周りの人の目を気にせず初めてわんわん泣いた。

どうしてお兄ちゃんは死んだの?

私お兄ちゃんと最後に話したのはいつだっけ?
最後にいつ会ったんだっけ?
そんなことが頭の中でグルグル回ってた。
こんな事になるならもっと話せばよかったとか。
今更叶うことない事ばかり考えていた。
それから一週間後高校を卒業した。
本当は卒業式には出たくなかった。
でもお父さんお母さんが卒業式には出なさいって言ったから重い足で卒業式に出席した。

最後に一言ずつこれからの豊富をクラスのみんなの前でスピーチすることになった。
私は適当に話して終わろうって思ってたんだけどなぜか前に立った時涙が溢れていた。
きっと何言ってるか分からなかったと思うけど私ははっきり
お兄ちゃんへの感謝の言葉も言ったんだ。

きっと気付いた人はいないと思うけど、ただの私の自己満足。
発表し終えた時とても大きな耳なりが鳴って体中鳥肌が立った。
私には霊感とか全くないけどでも、聞こえた気がするんだ、
「卒業おめでとう」って。
あれからまだ一年も経ってないけど。

私はまだ学生だけど。
でもきっといつかお兄ちゃんが守り続けたあのお店を今度は私と弟そしてお姉ちゃんで守っていきたいと思います。

お兄ちゃんありがとう。
私にとってお兄ちゃんは自慢のお兄ちゃんです。
そっちでゆっくり休んでね。
それじゃあね。

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