きみちゃん


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私には4つ下の妹がいます。
4人兄弟の末っ子。
きみちゃんと呼んでます。

きみちゃんは生まれてすぐ脳に障害が見つかり、一年もたないと宣告されたそうです。

1歳になる前から小さな身体で大きな手術を何度も何度も繰り返してました。
私も幼かったけど、何度も病院に泊まったことを覚えています。

きみちゃんは、たくさんの手術を乗り越え一年持たないと宣告したお医者様も奇跡だと言うくらい頑張って生きました。

ただ、見た目はやはり身体障害者。
自分で歩くことはもちろんのこと、声も出せず、意思疎通も出来ない。
ただ笑うか泣くか。

物心つき始めた私は、そんな妹を恥ずかしいと思い始めました。

時々、外泊許可をもらい家に帰って来る妹を誰にも見られたくないと思いました。

そんな中母は、妹を車椅子に乗せデパートの中のゲームセンターに連れて行こうと私を誘いました。

私は心の中で、そんなとこ行ったら友達に見られてしまうと思い行きたくありませんでした。

母は小さい身体で少し成長した妹をしっかり抱きしめ、メリーゴーランドに乗りました。
私はそれを遠くから見てました。

『何故、母はこんな恥ずかしいことをするんだろう』

そんなことを考えながら。

それから私は五年生になり、学校の宿題で『家族』をテーマにした作文を書くことになりました。

その頃も相変わらずきみちゃんの事を、自分から友達に話すことはありませんでした。
でも何故だかその作文にきみちゃんの事を書きました。
病気のこと、歩けないこと、ご飯も自分で食べられないこと、自分が見てきたきみちゃんのこと全てを書きました。
どうせ先生しか見ないだろうと思って。 

ある日先生が、誰の作文かは言わないけどと話し、私のその作文を生徒の前で読み始めました。

涙が止まらなかった。
教室でみんなの前で泣きまくった。
そして無性にきみちゃんに会いたくなった。

きみちゃんとは一度も会話をしたことはないけど、私はたくさんのことをきみちゃんから教えてもらってたんだな。

こんなお姉ちゃんなのに、会いに行くといつも笑顔で迎えてくれるきみちゃん。

大人になった今でも悩み事とかあると、きみちゃんに会いに行って、きみちゃんからたくさんパワーもらって、いつも支えられてます。

きみちゃん、こんなお姉ちゃんでごめんね。
許してほしいなんて願いません。
あの頃の気持ちを一生忘れないことが、せめてもの償いになると思ってます。
そしていつかはきみちゃんが、少しでも頼れるお姉ちゃんになれるように頑張るね。
私の妹で生まれてくれてありがとう。

また今度一緒に散歩でも行こうね。

きみちゃん、大好きだよ。

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