「自分と自分の家族が幸せになればいい」
そう信じていました。
「経済的な自由を手に入れるんだ!不労収入だ!」
自分のエゴを満たすことしか考えていませんでした。
自己啓発本を手当たりしだい読みました。
セミナーにもたくさん行きました。
自分を高めてスキルアップしていけば成功できるはずだ。
「その為には自己投資だ!!」
稼いだお金のほとんどをつぎ込みました。
なんだか自分が特別な人間になったみたいで気持ちよかったんです。
自己投資しない人はダメな人間。
そして、意識が低くてかわいそうな人間なんだ。
本気でそう思っていました。
とにかくポジティブ重視。
前を向いて行動を積み重ねていくということ。
どこかに書いてあった成功法則にしたがって続けていたんです。
おかげでいいこともありました。
給料は倍になって、結婚もして、幸せでした。
全ては順風満帆に流れていました…
でも…
「全然納得なんて出来ませんでした。」
もっとセルフイメージを高く持たなければ!!
そう強く思っていたからです。
接骨院を自営している僕は、ある時仕事で壁にぶつかっていました。
どうしても、
どうしても、
治らない患者さんが何人もいたんです。
ポジティブな私はそれが許せませんでした。
「どうして自分が治療しているのに治らないんだ!!ふざけるな!」と
まさに、傲慢な独り言ですよね。
でも本気でそう思っていました。
どうにかして、良い手はないものか・・・
そこで偶然手に取った本は、僕の人生を変えました。
「腰痛は怒りである」という本です。
???腰痛は怒り??
読んでみると目からウロコがボロボロでした。
そうか・・・肉体的なアプローチをしてもダメなんだ。
これからの治療は、心理的な側面からのアプローチが必要だ!
そう考えた私は、自己啓発と平行して心理学を学びはじめました。
その心理学を使って、患者の心を操る方法を必死で勉強しました。
患者の考え方が悪い。
その間違った考え方を心を操って治させればいい。
正しい考え方に無理やり矯正すればいいんだ!
どう思われます?
笑うなら笑ってください。
本当に、あちゃーですね(苦笑)
この考え方が見事に外れました。
患者さんが離れていったのです。
「どうして操れないんだ!どうしてわからないんだ!」
「おかしいだろ!思い通りになれよ!」
人の気持ちなんて全然理解しようとしていませんでした。
どうやったら間違った考えを持っている人たちをコントロールできるのか?
良い考え方を刷り込んでいくのか?
そればかり。
次に私が学んでいこうとしたのは、コミュニケーションスキルです。
ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、NLPという技術です。
その頃、お願いしていたコーチに相談をすると、NLPというものがあるということを教えてもらいました
まず本を買って読んでみましたが、難しすぎて全然わかりません。
結局一冊読んでも、NLPがなんだかさっぱりわからなかったんです。
それじゃあ教えてくれるところにいこうという事で講座を受けることにしました。
それがコミュニケーショントレーナー協会です。
二人のトレーナーに別々の日に同じ事を言われました。
「あせらなくても大丈夫」
????
「あせってる??誰が??俺??」
実はこのときはまったく理解できなかったんです。
「何の事だろう?」
その意味を知るのはそのあと二年くらい経ってからでした。
あせっている時に、自分があせっているとは感じないものです。
怖いときほど、強く頑張る必要があるのかもしれません。
あの時、自分があせっているなんて全く感じませんでした。
あの時、自分がこんなに恐れていたことなんて気付くはずもありませんでした。
あるワークショップに行った時に、はじめてシェアリングという対話形式のワークを取り入れたワークショップに参加しました。
私はその中で、自分自身を見つめなおし、今まで自分が無意識につけていた色眼鏡や仮面を一つ一つ丁寧にはずしていきました。
この作業は楽しかったです・・・・始めのうちは。
「見てきたことや聞いたこと今まで覚えた全部でたらめだったら面白い」
今までの知識を全部ひっくり返してみせてみろ!なんて思っていました。
「ものすごい恐怖です。」
本質に近づいていけば行くほどものすごい恐怖がやってきました。
「ものすごいショックを受けました。」
ポジティブに頑張っている自分を丸裸にして、その真実に触れた時はものすごいショックを受けました。
それと同時に、今まで誰にも言わないどころか、自分自身にすら真実を隠して頑張ってきた本当の自分に対して心から労うことができました。
すると自分の心がとっても静かに穏やかになって、感謝の気持ちが内側から溢れてきました。
今まで人をコントロールしようとしたことで幸せを勝ちとろうとした過去の自分。
その時、そういう方向に自分が向かっていったのがとっても不思議です。
自己啓発に励み、
成功という言葉の響きに魅せられ、
自分を見失い夢という名の幻想を追い求めていたあの頃
そしていま、
自分自身の「意志」を生きる道へ導かれるように進んでくると、
そこからはさらに不思議なことが立て続けに起こってきました。
自分と同じ方向を見て進もうとしている仲間達との出会い。
自分がやるべきことを(間接的ではあるけれど)明確に指し示してくれるメンター達との出会い。
バラバラに見えたパズルのピースがつながった時、
「対話」シェアリングワークを広げていかなければならないという強い使命感を感じました。
それは重荷を背負うという感覚では、全くなく、ワクワクしてその方向に引き寄せられていく感覚。
五年前の私が、今の自分の行動を見たらどう思うでしょうか?
「鼻で笑うかもしれません。」
全く理解できないかもしれません。
でも、今の自分が、五年前の自分を見ると深く理解することが出来ます。
抱きしめてあげることが出来ます。
「よく頑張ったね」って
その時の苦しみを引き受けてくれたから今の俺がいるんだよ
「ありがとう」って